それで終わりじゃないでしょ

はらぺこあおむしのごとき私の齧り跡を並べています

カテ3種盛りの思い出

私は昨年、心臓再手術(TCPC conversion)をしたのですが、
そこに至るまでに3回心臓カテーテルをやりました。

その3回で丁度(?)3種類のカテーテル検査・治療を順繰りやったので、
なんとなく今更だけど、その事たちを思い出して書いてみます。

心臓病と言っても数知れず、そして同じ成人先天性心疾患でも、ひいては同じAPCフォンタン術後でも、
1人として同じ病状・状況の人はいないし感じ方も人それぞれ。
なので誰の参考にもならないと思うし、あんまり参考にしないでくださいね(笑)
じゃあ書くなよと言われそうですが…
すみません。書きたくなっちゃいました。
あくまで私個人の経験&感想です。




カテーテル検査

診断カテという、その名の通り診断のための検査のみのやつ。
先天性心疾患ではほとんど鼠蹊部の動脈・静脈を穿刺して行うと思います。
時間は短くて済みます。
私が昨年やった時は2時間かからなかったくらい。
ただし、昔、転院して初めて診断カテ受けた時は4時間かかりました。
複雑心奇形をイチから診断しようとするとかなり時間がかかると思うし、行う検査によってもかかる時間が変わると思います。
その分、以前のデータがあってその病院でしっかり診断がついていると、見るところも絞られて早く済むのかなと思いました。
普通は局所麻酔なのでしっかり覚醒。
かなり長い時間両腕を上にあげてバンザイの姿勢をさせられるので、いつも手が痺れて地味につらい。
でもそれくらいで大した苦痛はありません。
造影剤を入れると「熱くなる感じ」と言われますが、私にはなんとも表現できない「うわー!」「きたーー!」という感じです(笑)
いつも「おしっこ漏らしちゃったー(ノД`)」と思いますが、漏らしていないことは自分でもわかっています。
(造影剤入れるとそういう感覚がするのです。)
わかってるのに毎回思う(笑)
ちなみにCTとかに比べると造影剤の量がだいぶ多いと思われまして、威力も全然違う気がします。

鼠蹊部で行うと、検査後6時間は絶対安静で特に穿刺した側の足は動かせません。
私は大丈夫ですが腰が痛くなる人もいるみたいですね。

基本メガネは外させられるのですが、私はモニターの映像とか見たくて付けたままで受けさせてもらったりしてました。
しかし角度上自分ではよく見えないし、変な角度で見ようとがんばると頭痛くなってくるので、次は裸眼で受けようと思っています。
ぼんやりしているくらいが丁度いいのですね(笑)



カテーテルアブレーション

カテーテルを入れて心臓のいろいろな部分の細かい心電図を録って検査をし、その後不整脈の経路になっている部分に通電し焼く治療をします。
時間がかかります。(私の場合は5時間半かかりました。)
そして苦痛を伴うので部分麻酔に加えて鎮静をかけるのが普通かと。
私の場合はうつらうつらしているけど眠ってはいない状態でした。
鼠蹊部に加えて頸部の静脈も穿刺しましたので、ずっと横を向いている状態で顔の上にはシートが掛けられていて何も見えません。
通常のカテーテルよりも太いシースを入れるため(違ったらごめんなさい)、穿刺の時にけっこう痛かったです。
何度もカテやっているので血管が硬くなっているそうで…かなり力づくで押されたように感じ、鈍い私も思わず「痛っっ!」と声を出してしまいました。
通電している時は痛いと感じる人もいるとのことでしたが、私には痛みなのか何なのかよくわからず、「う“ー」という感じでした。
(感覚の表現が苦手なやつ…)
何カ所も何カ所も通電して焼いていくので、「う“ー」の連続x100 みたいな感覚。
そして「ここも通電〇〇秒」とかって先生が指示を出して、それに従って別の人が機器を操作しているようだったのですが(見えないので声から想像するのみ)、時々明らかに〇〇秒で済まないくらい長く「う“ー」が続く時があって、「う“ーー…もうやめてぇー」っていう感じでした(笑)(何秒だったかはもう忘れた笑)

途中から不整脈を誘発してそれが止まるまで回路を探りながらアブレーションしていくという治療になっていき、
頻拍が起きている状態で何度も何度もアブレーション。。
この頃になると何がなんだか…という感じでした。
多分鎮静剤の量も増やしてくれたのでより朦朧と…よくわかんないけど何かに耐えてる感じで、ハッと気づいたら頻拍も止まり治療が終わっていました。
先生が「〇〇が有用な症例でしたね〜」みたいな事を言っていて、「知らぬ間にそんな難しげな事してたんか…」と思ったり。

鎮静が抜け切らずボーっとしているのと疲れたのとで、治療後はひたすら寝ました。
ストローで飲ませてもらった久しぶりのお水はめちゃくちゃおいしかったのですが、絶対気持ち悪くなる…と思い食事はパス。
朦朧としながらも夫に「もう帰っていいよ」とか偉そうなこと言った記憶だけあります(笑)
6時間の安静など知らぬ間に終わっていました。


で、私はアブレーションの合併症で横隔神経麻痺というのになってしまいました。
アブレーションをした右心房のすぐ後ろに横隔神経という横隔膜を動かす神経が通っていて、それが通電の影響を受けて麻痺してしまい、右側の横隔膜が動かなくなってしまいました。
横隔膜が下がる事で肺が膨らんで呼吸をしているのですが、息を吸い込んでも右側の横隔膜は上がったまま動かず肺も膨らまない。
レントゲンで見たその様子はあまりに不格好で、なんだか笑っちゃいました。
ちなみに私は自覚症状は全く無かったのですが、おかげでただただ早く済ませたい手術が延期されたのでした(苦笑)
“半年ほどで元に戻る例が多い“と言われた通り、半年で横隔膜も動き出し、無事手術に進めたのです。



カテーテルインターベンション

いわゆるカテーテル治療ってやつがこれだと思います。
治療にもいろいろあって、虚血性心疾患で閉塞した血管をバルーンやステントで拡げる治療が有名ですよね。
先天性の場合は小さな中隔欠損はカテーテル治療で塞いだりもできるようです。

私の場合は、側副血管をコイルで詰めました。(コイル塞栓術)

時間は3時間半ほど。
アブレーションより短いし電気流したりしないし、ラクかと思いきや。
痛かった!です。私は。
ココに書きました⬇︎
harapekoikko.hatenablog.com


何か細い物で内側からぐぐぐーっと押されているような痛みが複数カ所、かなり長く続いて、安静の間もつらかった…。

カテ終わった時に先生に「アブレーションよりマシだった?」と聞かれたのですが、何とも言えず「ううーーん??」と考え込んでしまいました。
アブレーションは確かに大変だけど、鎮静かけられて訳がわかんなくなっているわけで、それに比べるとコイルの時ははっきり覚醒しながら痛い場所がどんどん増えていくのでこれはこれでなかなか。
でも痛み止めももらわず耐えてた私が変態なだけかもしれませんね(笑)
(普通にロキソニンとか飲んでれば何のことはなかったような…その発想が無く謎の痩せ我慢を6時間+1晩やってしまいました。先生には事後報告。)

でもそれを越えられた事で、手術への自信が湧いてきたのでした。





以上、昨年のカテの思い出(?)でした。

何度やっても変わらず思うのは、先生方、看護師さん、技師さん、機器メーカーの方(カテに一緒に入って適した器具や操作を先生に教えてくれます)、ヘルパーさんなどなど…関わってくださる皆さまへの尊敬と感謝です。
まな板の上の鯉になりながら、プロの仕事っぷりを堪能させていただく時間です(笑)

どうかどうか、みんなのためにがんばってる人たちが少しでも報われる社会になっていきますように…。



f:id:harapekoikko:20201117174435j:plain